スタチンについて
今日は高コレステロール血症(高脂血症)治療薬の「スタチン」の話です。
現在、毎日3,000万人を超す患者が使う、薬としての評価が高まり、発見者の
遠藤章・東京農工大名誉教授が米国の最も権威ある医学賞「ラスカー賞」に選
ばれました。
ラスカー賞:アルバート・ラスカー医学研究賞
ラスカー財団により運営され、アルバー・トラスカーと妻メアリー・ラスカーにより
1946年に始まった。基礎医学研究賞と臨床医学研究賞がある。
「アメリカのノーベル生理学・医学賞」とも呼ばれラスカー賞受賞者のうち75人
が、のちにノーベル生理学・医学賞を受賞している。
遠藤氏は、日本人では利根川進らに続き5人目で臨床医学研究賞では初めて。
最初の「スタチン」は1973年、製薬大手「三共」の研究員だった遠藤章氏が
「青カビ」から見つけた「ML-236B」(物質名:コンパクチン)米国留学後、
6,000株を超える菌類の中から2年かけて手にしたといいます。
体内のコレステロールの8割は、食物を材料に肝臓で何段階もの化学反応を経
て合成されます。「コンパクチン」はこの合成に不可欠な酵素(律速酵素)の働き
を強力に抑えます。
律速酵素は反応物質の全体量を決めます。ここが阻害されるのでコレステロー
ル合成が激減します。 同じ「青カビ」から見つかった「ペニシリン」にちなんで、
「コレステロールのペニシリン」と称賛されます。
コンパクチン(別名:メバスタチン)を基に開発された、酵素阻害剤は薬剤名の末
尾がすべて「・・スタチン」であったため「スタチン」系薬剤として分類されます。
米国製薬大手「メルク」は、1978年に第2の「スタチン」(ロバスタチン)の治験
をすすめ1987年「三共」に先んじて発売。三共は2年遅れて89年(プラバスタ
チン)を発売。劇的な効果を発揮し広く使われるようになりました。
スタチンは副作用が少なく、 悪玉コレステロール(LDL)を25~35%下げて、
善玉コレステロールを上昇させます。
英医学誌「ランセット」は「スタチン投与は、心臓病の発症を抑制し、LDLを40%
下げると冠動脈疾患による死亡を19%減らす」と報告しています。
遠藤章・名誉教授が近い将来、ノーベル賞に輝くことを、心より祈ります。
柴又の「ねずみの歯医者さん」より
2008年09月15日
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